こんにちは、なおちぷです。
映画『セブン』のあらすじと評価感想を書いてみます。
これは『デビット・フィンチャー監督』の代表作ですね!
暗い映像と降り続ける冷たそうな雨が印象的な映画。
それ以降の映画に多くの影響を与えた偉大な『作品』だ。
映画『セブン』を観ている。
20年以上も前の作品とは思えないほどの、
『衝撃』を受ける作品だ。
凄まじいほどの『暴力性』と『宗教観』に恐怖する。
そして『ラスト』がこの作品を『永遠』にしたのだと考える#映画#セブン#映画で解決 pic.twitter.com/V2XV4cymwj— なおちぷ@映画で全てを解決する男 (@naochipu75) 2019年3月21日
あらすじ
雨の降り続く、とある大都会。退職まであと1週間と迫ったベテラン刑事サマセットと、血気盛んな新人刑事ミルズは、ある死体発見現場に急行した。死体は信じられないほど肥満の男であり、彼は食べ物の中に顔を埋めて死んでいた。死因は食物の大量摂取とその状態で腹部を殴打されたことによる内臓破裂。状況から、何者かによって手足を拘束され、銃で脅されながら食事を強制されていたことが判明し、殺人事件と断定される。サマセットは死体の胃の中から発見されたプラスチックの破片から、現場の冷蔵庫の裏に、犯人が脂で書いたと思われる「GLUTTONY(暴食)」の文字と、事件の始まりを示唆するメモを発見する
(ウィキペディアより引用)
キャスト・制作スタッフ
デビッド・ミルズ刑事 | ブラッド・ピット |
ウィリアム・サマセット刑事[1] | モーガン・フリーマン |
トレイシー・ミルズ | グウィネス・パルトロー |
警部 | R・リー・アーメイ |
マーティン・タルボット検事 | リチャード・ラウンドトゥリー |
マーク・スワー弁護士 | リチャード・シフ |
ジョン・ドゥ[2] | ケヴィン・スペイシー |
テイラー刑事 | ダニエル・ザカパ |
カリフォルニア | ジョン・C・マッギンリー |
マッサージ店にいた被害者の男 | リーランド・オーサー |
マッサージ店の受付係 | マイケル・マッシー |
ワイルド・ビル | マーティン・セレン |
ベアーズリー医師 | リチャード・ポートナウ |
オニール医師 | ピーター・クロンビー |
デイヴィス巡査 | ジョン・カッシーニ |
ジョージ | ホーソーン・ジェームズ |
脂ぎったFBI捜査官 | マーク・ブーン・Jr. |
図書館の警備員 | ロスコー・デヴィッドソン |
グールド夫人 | ジュリー・アラスコグ |
ミルズに詰め寄る女記者 | ドミニク・ジェニングス |
ニュースキャスター | ビヴァリー・バーク |
案内する警官 | デヴィッド・コレイア |
配達員 | リッチモンド・アークエット |
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
---|---|
脚本 | アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー |
製作 | アーノルド・コペルソン フィリス・カーライル |
製作総指揮 | ジャンニ・ヌナリ ダン・コルスルッド アン・コペルソン |
出演者 | ブラッド・ピット モーガン・フリーマン グウィネス・パルトロー R・リー・アーメイ ケヴィン・スペイシー |
音楽 | ハワード・ショア |
主題歌 | 「ハーツ・フィルシー・レッスン」 デヴィッド・ボウイ |
撮影 | ダリウス・コンジ |
編集 | リチャード・フランシス=ブルース |
配給 | ニュー・ライン・シネマ ギャガ |
公開 | 1995年9月22日 1996年1月27日 |
上映時間 | 127分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
ストーリーと考察(ネタバレする)
最初にこの作品を観た時、実社会の『暗さ』を表現する映像に大きな『衝撃』を受けたのを今でも憶えている。
『デヴィット・フィンチャー』はこの作品の前に『エイリアン3』を監督したのだが、
僕に印象としては『前作』は『何を表現したいか?』が伝わってこない映画でモヤモヤした印象を持っていた。
もちろん『エイリアン2』はジェームスキャメロン監督で興行的にも成功した作品であり、
その『続編』へのプレッシャーは大きいものだとは理解するが『キャリア』を積んだか?
と言われればNOだ!
だからこそ、本作で『才能』を見せて欲しい想いを持って劇場に足を運んだのを憶えている。
そんな想いで鑑賞した『本作』だったのだが、『素晴らしい』の一言だった。
僕が思うに『脚本』がブレなかったのが成功につながったと考えている。
制作スタジオサイドは、内容が『暗すぎる』との事で脚本を変更し、アクション性が高い作品にするプランがあったが、 監督『フィンチャー』とサマセット刑事役の『フリーマン』が反対し『脚本』はそのままで撮影されたそうだ。
もし、脚本変更されて撮影がされていたら、普通の作品になり、ここまでの『名作』になっていないと思う。勿論、デヴィットフィンチャーの『映像感覚』は素晴らしきものがあるが、『エイリアン3』を考えても映像だけでは名作にはなり得ないのは実証済みである。
そんな素晴らしい『脚本』を書いた『アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー』を本作で見ることができる、最初に夫婦喧嘩から銃で殺されたうつ伏せで血まみれの男が『彼』である。(大食の前の死体)太った男性の後ろ姿だから、誰でも良い感じなのか?
この殺人現場で『サマセット』は子供が現場を見たか?を同僚の刑事に聞くのだが、これは『子供』が生きづらい世界であるとの、彼の考えによるものあり後に繋がることになる。
そこに『ミルズ』(ブラッドピット)が現れる!若くてイケメンで功名心が高い!
名を上げたいのが全面に出ているが、『サマセット』はこの街にくるのは初めてだろ?
『7日間』はおとなしくしていろと言いつける、雨が降りしきる都会の雑踏の中で。
場面が変わり、夜の『サマセット』の寝室、家の外では怒号や泣き声などが聞こえ、
心がざわつく、メトロノームの一定のリズムを聞いて心の安定を図ろうとして寝る。
月曜日
妻と寝室で幸せそうに寝ている早朝、『ミルズ』に電話が入る。
降りしきる雨の中、到着した『サンセット』と『ミルズ』が薄暗く狭い現場に入ると、
『超肥満な男』が手足を針金で縛られ『スパゲティー』に顔を埋めて死んでいた。
高く積み上げられた『スパゲティソース』と糞尿にまみれた死体。
部屋のいたるところに這い回る『ゴキブリ』と
『ゲロ』をためている『バケツ』に虫酸が走る。
検死の結果は12時間以上も『犯人』に頭に拳銃を押し付けられ『食べる事』を
強要され内臓は拡張し破裂寸前になるも、『犯人』に腹を蹴られ『内臓破裂』で死亡したと
推測された。これは『殺人事件』でこれからも『続く』。
定年間際の自分には手に負える仕事では無いし、解決できないと主張する『サマセット』だったが、
上司の『警部』はサマセットに捜査継続を命じる。
ちなみにこの『警部』役のロナルド・リー・アーメイが当初の『犯人役』だったが、容赦が無い印象から変更されたそうだ、『フルメタルジャケット』のハートマン軍曹役もすげー怖い印象だったから納得かもね。
火曜日
弁護士『グルード』が殺された......
彼の事務所で血にまみれて殺され床に血で『強欲』を書かれていた。
『サマセット』は引退することを理由に捜査継続を固辞するが、
世間の注目も集まり早急な決着が求めれており『ミルズ』だけではどうにも。。
警部は『サマセット』に協力を依頼しつつ『大食』の死体の『胃』から回収した異物を
『サマセット』に渡す、『大食』の現場に再度出向く『サマセット』は冷蔵庫前についていた
傷こそ、回収した『異物』であることに気がつき、冷蔵庫の裏に脂で書いた『大食』の文字と
小さなメモを見つけた。
メモには『地獄より光に到る道は長く険しい』と書かれていた、ミルトンの『失楽園』だ。
『サマセット』は『七つの大罪』だと言い、あと5件は殺人が起きると予言する。
そして『ミルズ』にダンテの『神曲』と『カンタベリー物語』を読むように伝える。
ミルズの妻『トレイシー』(グウィネス・パルトロウ)に自宅に招かれ『ミルズ』とともに『サマセット』は幸せな時間を過ごし、捜査写真に殺された弁護士『グルード』の妻の写真の目の部分が血で塗られ、何かの『ヒント』だと感じた『サマセット』は『ミルズ』と『グルード』の妻に会い、部屋の壁の絵画が逆さまなのを聞き出し、絵を取り外すが何も無い。。『ミルズ』は気がつかなかったが『サマセット』は指紋があることに気づき鑑識を呼ぶ。浮かび上がる指紋で書かれた『HELP ME』の文字。
指紋の認証には『2〜3日』かかると言われる。
ここまでの印象で『犯人』はすごく冷酷で計画と実行力があるのは納得できるが、捜査する側のその意図を理解していないとならないはずだ、『サマセット』は『宗教論』や『文献』に精通し捜査進めているが、この時点で『犯人』と同様に現代社会を悲観しているのも描かれている。
木曜日
朝に指紋が割れる!名前は通称『ビクター』長く精神を病み、麻薬や強盗をやり少女に暴行したが、服役はわずかで担当した弁護士は『強欲』グルードだった。
捜査陣は『ビクター』へとむかうが、『サマセット』は犯人では無い!奥が無い!と言い切る。
SWATと『ビクター』の部屋を強襲するも、『ビクター』は左手首を切られ、ベッドに縛り付けられた状態で多様な薬物を投与され1年も前から監禁されいた、その傍らにある何枚も写真には日を追うごとに憔悴する『ビクター』が写っていた。壁に書かれた『怠惰』の文字とともに。
その状態から死んだものと思っていたが『生存』していることがわかり、救急車にて搬送する。
階段の踊り場付近で緊張と興奮から感情的になる『ミルズ』に『サマセット』は落ち着くようになだめるが興奮も冷めない状態だ。
そのときに『記者』を名乗る男に『写真』を取られる?犯行現場に来るのが早いが、『サマセット』は『情報』を売る警官がいるのだろうと『ミルズ』に言い聞かせていた。
『ビクター』は1年以上も前から、拘束された状態で多様な薬物を投与され管理されていた事が診察から判明したが、舌を噛み切り日光を見ただけでもショック死するような状態で,これからは生きて行くだけでも『地獄』を味わうことになりそうだ。
金曜日
『サマセット』は『ミルズ』の妻『トレイシー』にカフェに呼び出されていた。
妊娠したが育てる事に不安があり『サマセット』に相談したのだった。
『サマセット』も同じく若い時に『彼女』を妊娠させた過去があり、
その時は説得して『中絶』させたが、今でも違う決断をしていたらと思わない日はないと言い、
『トレイシー』の産まないなら『妊娠』は秘密にし、産んだなら『思いっきり甘やかせ』とアドバイスした。
でも、これって『結論』は出ていないよね。
でも『トレイシー』は感謝の言葉を『サマセット』に言っていた。
場面が変わり、警察署で犯人について話し合う『ミルズ』と『サマセット』
『ミルズ』は精神異常者の『大バカ者』の犯行だと安直に決めつけているが、犯人は『1年』も前から『ビクター』をベッドに縛り付け、尿道にカテーテルを入れ、床ずれに対応するために抗生物質まで投与し、手首を切り取り、現場にその指紋を残したのだ!『犯人』は入念で綿密、そして忍耐強いと『サマセット』は推理していた。
そして『ミルズ』は『サマセット』に言う。
クズが図書館に通っても『ヨーダ』にはなれない!
『サマセット』は犯人が『図書館』で『特定の図書』を借りているのでは?と考え、知り合いのFBIに金銭を渡し『失楽園』などの図書を借りている人物のデータを入手した。
多くの『関連図書』を借りている男を割り出す事に成功する。
男の名前は『ジョン・ドウ』これは日本で言うところの『名無しの権平』と同じで、名前がわからない・匿名であることを示す名前なのだそうだ。
『ミルズ』と『サマセット』は記載のある住所にたどり着き『彼』のアパートの部屋をノックするが返事がない、廊下の遠くに不審者の姿が見えた直後に2人に発砲し逃げ出す。
『ミルズ』が捕らえようと雨の中を追跡するが途中で反撃に遭い、うずくまり銃を落としてしまう。
『ジョン・ドウ』が『ミルズ』のこめかみに銃を突きつけるも、撃たずに逃げ去った。殺せたのに………
『ミルズ』は部屋を捜索しようとするが、『令状』も必要だし『FBI』に違法な依頼をした情報では捜査は出来ないと諌めるが、『ミルズ』は部屋のドアを蹴破ってしまう。憤慨する『サマセット』だったが『ミルズ』は金銭で『証言』をでっち上げて『捜査』する事に成功する。
部屋に入ると、写真の暗室のように赤く暗い部屋には、被害者たちの『写真』や『ジョン・ドウ』のノート・『ビクターの手』など証拠品が多くあった、犯人である事は『間違いない』
そして、『ミルズ』と『サマセット』の写真も!?あの時の記者こそ『ジョン・ドウ』だったのだ!
そこに『ジョン・ドウ』から電話が入る
『君達を一言褒めたい、そして予定を変更しなくてはならなくなった』と告げ電話は切れた。
土曜日
『ミルズ』と『サマセット』はまだ被害者になっていない『ブロンド女性の写真』と『ワイルド・ビル革皮店』の注文伝票を発見し、『革皮店』に聞き込みをすると、おぞましいぺ●●バンドの作成依頼をしていた、先端は鋭利なナイフが付属している。
程なく、『ブロンド女性』は『その器具』で無残に殺されているが発見された。
『肉欲』の文字とともに
『サマセット』がある男を取り調べしている。
『ジョン・ドウ』に拳銃で脅され、その男が『その器具』を装着し『行為』を強要されたのだ。
女性は手足をベッドに縛られ身動きが出来ない状態にされ、事件現場の店は『大音量』で会話も聞こえない。
死の恐怖から男は『行為』に及んだが『ブロンド女性』を殺してしまうだけでなく、『自身』の精神も破壊されていた。
取り調べの最中に『男』は何度も神への救済を求める
『神様、神様 助けて、お願いです………』
ここで注目したいのは、『ジョン・ドウ』は『男』を選ぶ時に『独身か?』と聞いている。
これは『不貞』の罪を犯さないためだと考える、あくまで『肉欲』の罪のみなのだ。
この作品の『脚本』の緻密さを感じる『セリフ』だったなぁ。
そして別の『取り調べ室』では、『ミルズ』が事件現場の受付的な男に『尋問』している。
『犯人』は必ず受付の前を通るはずだ!不審な男を見なかったか?と
受付の男は、色んな客がくる『荷物』をスーツケースに入れてくる『客』もいると、
言ってみれば『無関心』なのだ。スーツケースに『女』を入れてくるって異常だ!
だが『関与しない・関心を持たない』ってことが問題なのだ。
この『セブン』の中の大きな『テーマ』が
色々な『罪』が溢れる社会でありながら『人々』が無関心なのが
『大きな罪』なのだということだ。
受付の男に『ミルズ』は聞く!あんな所で仕事して楽しいかと?
受付の男は『楽しくはない、人生はそんなものだろ』と答える ………深い闇のようなものに落ちこむ…..
バーで酒を飲む『ミルズ』と『サマセット』
『ハッピーエンドは無い!絶対に!』と言う『サマセット』に対して、
『必ず捕まえる』と言う『ミルズ』の意見の食い違いや、物事に無関心である事への考え方の対比が面白い
だが、帰宅し寝る場面で『サマセット』は『メトロノーム』を投げ捨て、ダーツ盤で投げナイフの練習を始める
『無関心』からの『変化』の現れなのだろう。
日曜日
事件の通報が入る。『ジョン・ドウ』本人からだ。
予定が狂ったのか?自分で通報してくるとは?
現場に行くと『高慢』の文字とともに『モデル』の死体がベッドに横たわっていた。
左手には睡眠薬が糊づけられ、右手には電話機が握られていた、鼻を削ぎ落とされ、顔を切り刻まれている
助けを呼んで醜いまま生きるか?睡眠薬を飲んで死ぬか?を選択させたのだ。
署に戻ると『ジョン・ドウ』が自首してきた!
白いシャツが血だらけの状態ですぐに逮捕したが、彼の『弁護士』が『交渉』してきた。
まだ、死体があり『ミルズ』と『サマセット』に2人と一緒に現場に行きたい、もし断れば『精神病』であることを理由に裁判を闘い、無罪を目指す。また応じない場合は『死体』があるのに『捜査』しなかったことを『告発』すると。
もはや『ジョン・ドウ』の言い成りになるしかない状況だ。
彼のシャツには、『自身』と『モデル』と『誰か?』のものの『血』がついていたからだ。
拘束した状態での現場までの移動だから『問題』な無いはずだが、このままで終わるとも思えない。
『ミルズ』と『サマセット』は『ジョン・ドウ』と移動する、ヘリも追尾するが案内されついた現場は
荒野の中で、高い高圧電線が立ち並び、ヘリが容易に不時着出来ない場所だった。
そこに『大きなトラック』が高速で近ずいて来るのが見えた。
『ミルズ』が『ジョン』を見張り、『サマセット』が『トラック』を確認することに、
『トラック』を銃で威嚇しながら停めて、運転手を問いただすと、
『ミルズ』に『荷物』を届けにきたと、料金は500ドル貰い時間を厳守で請け負ったそうだ。
ボーリングの球がすっぽり入るような『箱』を開けて確認する『サマセット』の顔色がみるみる
変わって驚きと恐怖、嘆きのような表情になる。悲しみと困惑の表情を浮かべる・・・
少し離れた場所で『ジョン』が『ミルズ』に話しかける。
羨ましいと。。。そして『嫉妬』したんだ。
君と『可愛い奥さん』に・・・・トレイシーに・・
君の署の人間は簡単に情報を記者に流すよね
実は君が出かけた後に、お邪魔したんだ。。平凡な夫の楽しみを味わいたくて・・・
抵抗されたよ・・だから『おみあげ』だよ
可愛い彼女の『頭』さ・・・・
『ミルズ』:何を言ってるんだ?お前?
走り寄る『サマセット』自身の銃をすてて、『ミルズ』を落ち着かせようとするが、
『ジョン』が話し続ける
平凡な夫の幸せを妬んだ私も『罪人』だ・・・『嫉妬』の罪だと
『サマセット』に何度も『箱』の中身を確認するが、『サマセット』は答えない。
撃つな!撃つと『ジョン』の望みどおりになってしまうと、
苦悶の表情の『ミルズ』・・・あぁ『神』よ!と何度も言うが、神は何も解決してはくれない
彼女は命乞いをしたよ・・身籠ってるとね・・『ジョン』が言い、
『サマセット』に彼は知らなかったのか?と顔を向けた。
そして、苦悶の表情の『ミルズ』と冷静な表情の『ジョン』の対比の後、
『ミルズ』は『ジョン』を射殺してしまう。
これで復讐を遂げ、『憤怒』の罪で『七つの大罪』が完結してしまう。
パトカーの後部座席に座り『移送』される『ミルズ』を見送りながら、
最後は『サマセット』がヘミングウェイの一文を言う。
『この世は素晴らしい、戦う価値がある』そして後の部分は『同意』すると・・・・・・・
検証
無関心こそ悪である。
この映画での罪は『七つの大罪』であることは間違いがないが、『無関心』である事が悪だと、この作品では描かれている。『サマセット』が寝るその時に『騒音』が聞こえるが『メトロノーム』でごまかしたり、『怠惰』の住人が姿を見せずとも『お金』が届く事を理由に『大家』は全く気にしない。『肉欲』でもそうだ、『革皮店』の店主は『作品』が危険であるのも関わらず購入者や購入目的に関心を持っていないし、事件が起きた店の受付も『客』の『荷物』に関心がないのである。都会で人間関係が希薄になり『無関心』が広がる事で何事も『崩壊』していくのである。
ミルズの成長がすごく早い
初日の青臭い青年から多く『試練』を経て『大人』の男に成長する『ミルズ』。ジョンの部屋のドアを蹴破り、お金で証言を作るなど、『サマセット』も驚きの進化だ。
ジョン・ドウはなぜトレイシーの妊娠を知っていたか?
ほとんどに人がジョン・ドウに『命乞い』した時に言ったんだと思っているが、ジョンが『サマセット』に対し『ミルズ』は知らなかったのか?とニヤリと確認する場面がある。これは『サマセット』は知ってたよな?と言う表情を見せている。僕が思うに、トレイシーが『サマセット』に相談した『カフェ』に『ジョン・ドウ』がいたのではないか?と思っている。記者に扮した『ジョン』に写真を撮られた後日だし、『ジョン』は『ミルズ』と『サマセット』に関心が高い。『サマセット』はジョンの姿を見ても気づく事はないだろう、映像を見ても2人以外の人間はぼやけて判明しないのである。
最後の現場に『ミルズ』と『サマセット』の2人を連れて行ったのはなぜか?
7つの大罪を完成させるには、『ミルズ』だけでも大丈夫に思うが、『ジョン』の『弁護士』は強く『2人』で行くことを確認している。これは何故だろうか?『サマセット』がいたら『ミルズ』を邪魔して計画が台無しになりうる、だが、『ジョン』は2人と指定しているのだ。これは『サマセット』が『証人』として語り継ぐことを計画しての事だろう。『サマセット』と『ジョン』は表裏一体の存在に感じてならない。ジョンを一番理解しているのは『サマセット』なのだ。行動の意図を理解し、隠された証拠も『ジョン』の意図を理解し解明している。それゆえに『ジョン』の思想にも理解を示しており、積極的に『行動』を起こして『ミルズ』を制止することはなかったのはそのためだと思う。
仕事は楽しんでするものだ。
肉欲の事件現場の受付の男は『仕事も人生も楽しくは無い』と答えていた。『ジョン』は『サマセット』に神から与えられた仕事に楽しみを見出すのはおかしいと指摘されるが、『ジョン』は『ミルズ』を引き合いに出し、仕事をする上で『楽しんで』もいいのだと述べる。どんな仕事でも楽しんでいいのだ。でも『ジョン』お前が言うなw
ジョン・ドウとは?
全くデータが無い人間である。自室に膨大なノートに考えを書き留めているが、年齢も経歴も過去もわからない、指紋も自ら消してしまっている。これほどの計画性と行動力と忍耐力はどこから来るのか?この謎が『作品』に深みを出している
この世は素晴らしい、戦う価値がある。
『サマセット』は後の一文は『同意』すると言っている!戦う価値があるとは?僕は改善する余地がある!まだ終わりでは無いと言う事だと考える。子供を産むことも躊躇する世の中だが『戦い生きていける』と・・・
終わりに
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- ただの猟奇的なホラー映画と思われがちだが、深いテーマがある。20年以上も前の作品だが、今見ても色あせない『作品だ』僕はU-NEXTで鑑賞している。時間を選ばずに観ることができて快適だ。
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