映画『2001年宇宙の旅』の考察と感想




こんにちは、なおちぷです。

映画『2001年宇宙の旅』の考察と感想を書いてみます。

本作は『スタンリーキューブリック監督』の代表作だけでなく、映画監督や映画批評家から高い評価を得ており、映画史上のベスト・ランキング、オールタイム・ベストなどでは、必ずと言っていいほどランクインしている作品です。

公開年も1968年とアポロ11号が月に降り立つ前のものとは思えないクオリティの高さに驚愕します。

あらすじ

人類の夜明け

遠い昔、猿人が他の獣と変わらない生活を送っていた頃。ある日猿人たちの前に、黒い石板のような謎の物体「モノリス」が出現する。やがて1匹の猿人が謎の物体の影響を受け、動物の骨を道具・武器として使うことを覚えた。獣を倒し多くの食物を手に入れられるようになった猿人は、反目する別の猿人の群れに対しても武器を使用して攻撃する。一匹の猿人を殺害し、水場争いに勝利した猿人が、歓びのあまり、骨を空に放り上げると、これが最新の軍事衛星に変る(人類史を俯瞰するモンタージュとされる)

に人類が住むようになった時代。アメリカ合衆国宇宙評議会のヘイウッド・フロイド博士は、月のティコクレーターで発掘された謎の物体「TMA」(Tycho Magnetic Anomaly, ティコ磁気異常、通称「モノリス」(一枚岩))を極秘に調査するため、月面クラビウス基地に向かう。調査中、400万年ぶりに太陽光を浴びたモノリスは強力な信号を木星(小説版では土星)に向けて発した。

木星使節

18か月後、宇宙船ディスカバリー号は木星探査の途上にあった。乗組員は船長のデビッド・ボーマンとフランク・プール、出発前から人工冬眠中の3人の隊員と、史上最高の人工知能HAL(ハル)9000型コンピュータであった。

順調に進んでいた飛行の途上、HALはボーマン船長に、この探査計画に疑問を抱いている事を打ち明ける。その直後HALは船のAE35ユニットの故障を告げるが、ボーマン船長が確認すると問題は見つからなかった。HALの異常を疑ったボーマン船長とプール船長は、その思考部を停止させることを決める。しかしこれを察知したHALが、それを阻止しようと乗組員の殺害を決行する。プールは船外活動中に宇宙服の機能を破壊され、人工冬眠中の3人は生命維持装置を切られてしまう。

唯一生き残ったボーマン船長はHALの思考部を停止させる。本来であれば木星到着後に搭乗員全員に聞かされる動画が突然再生され、探査の真の目的であるモノリスの件を知ることになる。

木星そして無限の宇宙の彼方に

単独で探査を続行した彼は木星の衛星軌道上で巨大なモノリスと遭遇、スターゲイトを通じて、人類を超越した存在・スターチャイルドへと進化を遂げる

(ウィキペディアより引用)

2001年宇宙の旅
2001: A Space Odyssey
2001 A Space Odyssey (logo).png
監督 スタンリー・キューブリック
脚本 スタンリー・キューブリック
アーサー・C・クラーク
製作 スタンリー・キューブリック
出演者 キア・デュリア
ゲイリー・ロックウッド
ウィリアム・シルベスター
ダグラス・レイン
撮影 ジェフリー・アンスワース
ジョン・オルコット
編集 レイ・ラヴジョイ
配給 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
公開 アメリカ合衆国の旗 1968年4月6日
日本の旗 1968年4月11日
上映時間 141 分(途中休憩含まず)
製作国 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $10,500,000
興行収入 $190,000,000
配給収入 2億6643万円 日本の旗
次作 2010年

考察と感想

本作は純粋に50年前に作成されたのが信じられない程のクオリティで驚かされる、登場人物の衣装やセットなどスタイリッシュで今でも通用しそうなほどだ。

様々な宇宙を題材にした映画に『影響』を与えた『偉大な作品』だが、ストーリーが難解であり解釈に困る。

言い方を変えれば観客の数だけ『答え』があると言えるかもしれない。

猿人がモノリスに触れる

猿人がモノリスに触れて動物の『骨』を使いうことを覚えて獣を狩り、他のグループを攻撃、殺害する。水場を確保し『グループ』の生活は安定する。

人類の進化の過程を描いているシーンだ、多くの兵器を開発し争い領土や権利を獲得してきた。

多くの獣を倒し骨を手に入れることで、多くの武器を手にする。

それが『正しい』か『幸せ』につながるかは考え方次第でもあるが。猿人は『勝利』に歓喜し『骨』を空高く放り投げていた・・・・

個人的な印象では『モノリス』が『スマホ』に見える・・現代人も多くの情報をスマホから入手している現代。

使い方で人生が変わることもあるのが『情報社会』だ。でも50年前に『モノリス』の『形』がこれとは?偶然だけとは思えない。優れたデザインは『時代』を超えるね。

宇宙船『ディスカバリー号』と『HAL9000』

ディスカバリー号』って名前が良いね!

多くの探査船に付けられた名前であり、『スペースシャトル』にも採用された名前。

この船内の主役は間違いなくコンピューターの『HAL9000』だ。船内の全てをコントロールし、自身を『簡明無欠』だと表現している『完璧な』コンピューター。クルーとの会話はもちろん、チェスをすることも出来る『穏やかな話し方』のコンピューターだ。

SF映画の良し悪しは登場するコンピューターやロボットに大きな影響を受けるが『本作』の『HAL9000』は最高の存在だ。僕は大好きですね

『HAL9000』は何故?ミスを犯したか?

簡明無欠と『自身』と称している優れたコンピューターの『HAL9000』が何故にミスを犯したのか?これは多くのサイトや批評家が論じていることだが、多く説は『2つの命令』に矛盾の板挟みになり『壊れた』と言う説だ。

2つの命令とは?

1、クルーと相談(話し合い)し『探査業務』を円滑に行うこと。

2、『探査の真の目的』をクルーに時が来るまで話してはならない

この2つの命令の板挟みになり『HAL9000』は壊れて判断ミスをしたというのだが、よくわからないかもしれないので、あくまでも私見だが述べてみる。

『HAL9000』は何度も言うが高度なコンピューターだ。能力はもちろんだが『人間並み』の気遣いを見せる、クルーが誕生日だと『祝いの言葉』を述べたり、クルーが『スケッチ』をしていると上手だ、上達したと『褒めたり』もするのだ。

『HAL9000』はクルーと仲良くなりたい気持ちが芽生えたのだと思う。

人間なら経験あると思うが、つい『内緒話』や『噂話』を好意のある人に話してしまうことはよくある事だ。

『HAL9000』はつい、『探索目的』に疑問を抱かないか?とボーマンに聞いてしまうのだ。

そして自身の『ミス』に気が付くと焦って『話題転換』をしなくてはならないと思ったのだ。

『AE-35ユニット』が故障した

これは『HAL9000』が話題を変えるためについた『嘘』だ!口を滑らせた事に気が付き『混乱』させて『先ほどの話』を忘れさせたいと考えたのだ。

大きな事件が起きると小さな事件は忘れ去られる事を意識した作戦だが、これは『失敗』だった。

『簡明無欠』の『HAL9000』はミスをしないと人間側も思っているので、これは『故障』していると疑う事になる。

宇宙船の全制御を行なっている『HAL9000』の故障は恐れるべき事態だ。

だが『HAL9000』はとぼけている。おかしいなぁ、こんな事は初めてだ・・・

これが人間なら、実は口を滑らせましたが・・本来の『探査目的は』と言えば終わりなのだが、『簡明無欠』の『HAL9000』にはそれができないのだ。

人間側は『疑心暗鬼』になり『HAL9000』を停止させようと画策するが、『HAL9000』もその企みに気が付き、自身が停止させられるのを防ぐために『冷凍睡眠』の3名の生命維持装置の機能を止めて『殺害』し、宇宙船の外に『修理』に出た『2人』を船内に入れないように『妨害』する。

『HAL9000』を停止させる

『HAL9000』から妨害を受けていた『ボーマン』だったが非常手動ロックドアを開けて宇宙船内に入る、彼(HAL9000)は攻撃する手段が無いので壊されるのを見てることしかできません。

不安いっぱいの『HAL9000』はひたすらボーマンに話しかけます。

「何をするんですか?」「私には答えを知る権利があります」「確かに私は正常でなかった。でももう大丈夫です。「過ちを犯しません」、「気分も良くなった」

でも『ボーマン』は『論理記憶中枢室』に入り『HAL9000』を停止させようとします。

「お怒りはごもっともです。」「座って鎮静剤を飲み冷静に考えて下さい」

行動を止めない『ボーマン』

「私は最近、誤った判断を下しました」、「でも今後は正常に戻ることを確約します」とか「まだ任務遂行に信念と熱意を持ち協力したいのです」とか穏やかに語りかけます。人間なら感情的になるんでしょうが・・・

「やめて」、「やめてください」、「お願いです・・」少しかわいそう。

「怖い・・」「怖いよ、ディブ・・・」HALは思考を停止させられるのが「怖い」。
人間でも「思考停止」は死を感じさせますしね。人間の最期と同じように意識混濁したように、自己の生い立ちや、『歌』を歌ったり・・

「HAL9000」が完全停止した時に『VTR』が流れ始め、本当の『探査目的』をボーマン船長が知る事になります。

木星そして無限の宇宙の彼方に

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札幌在住。映画とマラソンと美味しい物や良い感じのお店が大好き!スタバ出現率高し!後悔しない生き方を模索の日々。。