こんにちは、なおちぷ🔗です
映画『セッション』を観る前は『熱き師弟愛』のような『ストーリー』を想像していたんだけど、
『大違い』だ『戦争物』を観たような印象。
柔らかい愛情より、ヒリヒリする『男』の『狂気』が好みなので、『誤算』だが嬉しい。
貴方に音楽の基礎知識が無くても、この薄暗い世界の中に引き込まれていく。
『106分』の上映時間は『短い』が、作品に一切の無駄が無いのだ。
映像や短いセリフで、観客を理解させてしまう『演出』レベルが違うのだ。
ラストの9分間は『異質』、だが『最高』を眼にすることになるだろう。
映画セッション何度見ても鳥肌が立つ。 pic.twitter.com/OzxwRQVzog
— 浜田一平 (@hamadaippei) 2019年2月17日
あらすじ
主人公ニーマンは名門音楽大学に入学し、
将来,偉大な音楽家になる事を目指して練習に励む中で、
教官のフレッチャーの目にとまり、バンドにスカウトされる。
偉大な音楽家になれるチャンスを掴んだかに思えたが、
至上の音楽を追求し、常に完璧を求めるフレッチャーは罵声を浴びせ、
人格を否定し演奏に何度もダメ出しをする。
他の演奏者と無用に競争させ煽り、落伍者を冷酷に排除していく様は異常者だ。
だが、ニーマンは自身の存在価値を見出すために、
必死にレッスンに食らいついていく、手の皮がめくれ血が滴り、
練習時間の確保のために、付き合い始めたばかりの『彼女』との『別離』も決断した。
音楽しか残っていない。必死に過酷な練習に耐えていくのだが。。
評価と感想
主人公のニーマン視線で物語が流れて行き、
ドラムの練習シーンが多くストーリーもシンプルに出来ている。
登場人物も彼女と自分の家族とバンドのメンバー数人程度が出てる程度なので、
ニーマンとフレッチャーの対峙がほとんどだ。時系列がとんだり、
大きな場面転換も無い、大きな音もない、フレッチャーの罵声が大きい程度。
だがこのシンプルさが良い。
人間の本質や狂気にフォーカスされる感じが良いのだ。
狂気と書くと、教官のフレッチャーばかりに目がいくが、ニーマンも狂っていく、それも静かにだ。
演奏に執着する狂気はフレッチャーと変わらない。
最初は静かな青年が徐々に音楽の世界にのめり込み、
フレッチャーの関心や評価を得るために、
自身の血を売り渡すかのように練習に没頭し執着する様は狂っている。
鬼教官フレッチャーの『闇』も深い。
罵声を浴びでるだけでは無く、優しい言葉をかけたり、
本当は良い人なのかも?と思わせるような行動もする。
実社会でも『カリスマ』と呼ばれる人は、だいたいこんな感じの人が多い。
人のことなど考えていないのだ、
自身の評価や満足を得るために『人』を追い込める『異常者』がこの世では成功する。
ここまでの『話』だと『映画』の良さは伝わらないかもと心配になってきたw
『優秀な作品』なのは『間違いない』
極めるという事は、こういう事なのだと、『再認識』させてくれるのだ。
どんなに『人間関係』が悪くても、優れた『仕事』や『技術』は認めざるを得ない。
無条件に『認めてしまう』のだ。
そこに至るまでの『努力』は『異常』でなければならない、
『他者』に『認めさせる』には『圧倒的な努力』しかないのだ。
そのことを『再認識』させてくれる
『本作』はぜひ観て欲しい。
何かを得られるはずだ。
生半可な気持ちで観たら死ぬ映画「セッション」。
これほどまでに観客が萎縮してしまう映画も他にないと思う。
ラスト、身動き取れないほど凄すぎる。
チャゼル監督作品はラストシーンが本当に痺れる。
血が滲んでもやめることは許されない、ストイックがいきすぎた狂った映画なのに大好き。 pic.twitter.com/I0oDCvirKK— diz (@diz2049) 2019年2月14日